絹ヶ丘公園には、街からほんの少しだけ浮かび上がったような感覚がある。少し高い位置にある。そのわずかな高低差が効いている。階段を何百段も登るわけでも、山頂を目指すわけでもないのに、たどり着けばここだけが小さな空中庭園になったように感じられる。
そんな場所で楽しめるのがブランコだ。周囲には木々があり、その緑に囲まれながら前へ後ろへ揺れる。ブランコという遊具は不思議なもので、地面に設置されているのに、遊びの目的は地面から離れることにある。まして少し高い場所にある公園となれば、いつもの一往復まで少し特別に思えてくる。
そして、この風景によく似合っているのがウサギのスイング遊具だ。
なぜウサギなのか。その理由まで知らなくてもいい。木々の間にウサギがいる。それだけで、公園の風景に小さな物語が生まれる。街の中では置物に見えるものが、緑の中では森からひょっこり現れた住人のように思えてくるから面白い。揺らして遊ぶための遊具なのに、誰も乗っていないときの佇まいまで絵になっている。
絹ヶ丘公園の魅力は、巨大な何かが待っていることではない。少し高い場所、木々、ブランコ、そして一匹のウサギ。その組み合わせが、日常の公園をほんの少しだけ別世界へずらしている。
街を歩き、少し上へ向かってみる。その先で木々に囲まれた公園を見つけたら、急いで通り過ぎるのは惜しい。ブランコのそばでウサギを眺めていると、空中庭園という言葉も、案外大げさではない気がしてくる。











