地蔵橋東児童遊園
アップデート:2026/09/22

花壇の中央に、一本の樹が立っている。
地蔵橋東児童遊園では、この樹を眺めているうちに、その向こうにある首都高までひとつの風景に見えてくる。
花壇と樹。そして首都高。
並べてみると、ずいぶん違うもの同士だ。植物はその場所に根を張り、道路は遠くへ人や車を運ぶ。動かないものと、移動するためのもの。その二つを同時に眺めながら、ここではゆっくり過ごすことができる。
とりわけ中央の樹がいい。
花壇だけなら地面へ視線が向かうところを、一本の樹が上へと引っ張ってくれる。幹をたどって見上げ、その先へ目を移せば、都市の構造物がある。小さな児童遊園なのに、視線だけはずいぶん忙しい。
遊具を次々と巡る公園とは、楽しみ方が少し違う。何かをして遊ぶというより、そこにあるものを眺めながら過ごす。花壇があり、樹があり、首都高がある。それだけで、この場所だけの景色は十分にできあがっている。
千代田区岩本町一丁目。
街を歩いている途中、少しだけ足を止めてみる。中央の樹を眺め、その向こうの首都高へ目をやる。
都会の真ん中では、そんな数分間も立派な公園探訪になるのだ。



