東立川公園
アップデート:2026/09/24

砂場のそばに、ベンチがある。
公園では珍しくもない組み合わせなのだが、東立川公園で眺めていると、このベンチがどうにも「砂場観覧席」に見えてくる。
主役はもちろん砂場だ。砂を掘る。盛る。山をつくる。穴を開ける。そして、せっかくつくったものを豪快に壊す。砂場では毎日、名もなき大工事が行われている。その一部始終を、すぐそばのベンチからじっくり眺めることができるのだ。
特等席と言ってもいい。
映画館ならスクリーンがあり、劇場なら舞台がある。ここでは砂場が舞台になる。何も起きていない時間には、ただ砂が広がっている。それもまたいい。観覧席は、上演されていない時間まで含めて静かに待っている。
もちろん、砂場だけの公園ではない。ブランコもあり、身体を動かして遊ぶことができる。それでも妙に気になるのは、やはり砂場とベンチの距離感だ。遊ぶ場所と、それを眺める場所が並んでいるだけで、公園に小さな劇場のような構図が生まれている。
立川市羽衣町二丁目。街を歩いていて少し休みたくなったら、この観覧席に腰掛けてみたい。
目の前にあるのは、ただの砂場。
けれど眺める時間まで含めれば、それも立派な公園の楽しみなのだ。




