臨川四季の森 | 公園探訪

臨川四季の森

臨川四季の森に足を踏み入れると、そこには時間が静かに折り重なった気配が漂っている。かつて臨川児童遊園地と呼ばれ、遊具や動物たちが賑やかに居場所を主張していた頃の記憶は、今も地面の奥に温かく埋まっているようだ。走り回る歓声は風の中に溶け、代わりに木々の葉擦れや川の気配が、公園全体を穏やかに包み込んでいる。

現在の臨川四季の森は、腰を下ろし、呼吸を整えるための場所として静かに成熟した。ベンチは防災の役割を担い、日常と非常時の境目にそっと寄り添う存在となっている。その無骨ささえも、この公園が歩んできた年月を物語る証のように見えてくる。子ども向けの喧騒が消えた分、空は広く、影は深く、人の思索を受け止める余白が生まれた。

季節が巡るたび、森は名の通り表情を変え、春は淡く、夏は濃く、秋は静まり、冬は凛とした姿を見せる。臨川四季の森は、大人になった公園である。だからこそ、過ぎ去った時間を胸に抱えたまま、ゆっくりと歩き、立ち止まり、自分自身を見つめ直すために訪れたくなる場所なのだ。