愛宕東公園
アップデート:2025/12/05
愛宕東公園へ足を踏み入れると、まず迎えてくれるのは堂々たる大階段である。その段を一歩ずつ登るにつれ、日常の気配が背後に薄れ、まるで儀式の門をくぐるような静かな高揚が胸に満ちてくる。たどり着いた先の時計広場は、開けた空を大きく抱きしめたような伸びやかな空間で、公園そのものが凛とした表情で訪れる者を迎え入れている。
広場の一角には、風をやわらかく遮る大パーゴラが構え、木陰のゆらめきが長い時間を受け止めてくれる。そこに腰掛けていると、愛宕の町をゆっくり見晴らす旅人になったような気分になるのだ。奥へ進めば、複合遊具が鮮やかな色をまとって待ち構え、ネットや塔が小さな冒険を誘っている。その横では、動物のかたちをした遊具たちが、まるで内緒話をしているかのように寄り添い、公園にほんのりとした物語の気配を添えている。
愛宕東公園は、ただ大きいだけの場所ではない。訪れるたびに、静かに胸の奥を震わせる気高さと、遊び心が共存している。そんな空間がここには息づいている。

















