南野

南野は、丘のふくらみと空のひろがりがのびやかに溶け合う、どこか牧歌的な気配をまとった土地である。道はゆるやかに曲がり、住宅街の向こうには大きな空がいつも控えている。晴れた日には雲の影がゆっくり丘を渡り歩き、まるで町そのものがのんびりと昼寝をしているように見える。

歩いていると、ふと視界の先に緑地や公園が姿を現し、遠くに連なる多摩丘陵が柔らかい線を描く。学校や団地のそばを抜ける風はどこか素朴で、昔どこかで味わったような、懐かしい午後の匂いを運んでくる。道端の植栽に目をやれば、季節の花々が控えめに色を添え、町並みに静かな生命の気配を灯している。

夕暮れが近づくと、南野はひときわ美しい。丘の端がゆるやかに赤く染まり、家々の影が長く伸びて、町全体が静かな祈りのような時間に包まれる。その穏やかな移ろいに身を置くと、心がふっと軽くなり、もう少し先まで歩きたくなる。

特別な飾り気はないのに、なぜか深く沁みてくる——南野とは、そんなゆったりとした魅力を秘めた場所である。

南野の場所

南野・町名の遍歴・由来

1973年(昭和48年)12月1日に町田市と多摩市は多摩ニュータウン区域界を境に境界変更した。この時、町田市小野路町、上小山田町および下小山田町の一部が多摩市に編入され、編入部分は多摩市小野路町、上小山田町、下小山田町となった。一~三丁目の大部分が多摩市に編入された小野路町から、三丁目の一部が同じく多摩市に編入された下小山田町と落合から新設された。(南野 (多摩市) - Wikipedia)

南野の公園