鶴牧

鶴牧は、丘の風に乗ってどこか未来の匂いが漂う、不思議に開放感あふれる町である。広い空の下、ゆるやかな地形に沿って団地と緑地がリズミカルに配置され、歩くだけで景色がすうっと流れる。鶴が舞い降りたという名の響きのせいか、町全体がどこか軽やかで、心の足取りまでふわりと軽くなる。

散策していると、段々になった歩道や広々とした遊歩道が次々に姿を現し、視線の先には大きな空と、遠く連なる多摩丘陵のやわらかな稜線が広がる。午後の光が建物の壁を照らすと、影が長く伸び、町が静かな劇場のように思える瞬間もある。ところどころに点在する公園では、風が木々を揺らし、小さなざわめきが心地よいリズムを刻んでいる。

夕暮れ時になると、鶴牧はひときわ美しい色に染まる。空は淡い桃色から深い群青へと移っていき、街灯のにじむ光が道を柔らかく照らす。その移ろいの中を歩いていると、不思議と心が澄みわたり、もう少し先まで行ってみたくなる。

鶴牧は、生活の風景の中に静かな詩情を潜ませた、ゆったりとした魅力を抱く町である。

鶴牧の場所

鶴牧・町名の遍歴・由来

旧南多摩郡多摩村南西部、純農村大字落合の丘陵地に位置していた小字楢原・中組付近に南北へ延びる谷戸が二筋あった。これら谷戸筋に囲まれた広大な山林が多摩ニュータウンの第11住区として旧住都公団の手で開発され、新生鶴牧が誕生した。現在、幹線道路の通う旧中沢・楢原・中組・長坂谷戸周辺が土地区画整理事業区域(区画整理区域)となり、この街で広い面積を占める丘陵部高台に位置する新住宅市街地開発事業区域(新住区域)とは開発手法が異なっている。 新住区域の街開きは1982年で、ニュータウンの当初計画見直し後に誕生した街区であるため空間構成に新機軸が導入され、オープンスペース、住宅街とも従前に比べゆとりのある独創的なストックが形成されている。特段、公園施設と歩行者専用道路網が充実しオープンスペースの基幹空間として、両者を一体的に整備している。そのため、東隣落合住区との境界になる都道「町田・日野線」には、これを立体交差で跨ぐ歩行者専用道路橋が8箇所架かるなど、歩車分離施策の中核となるインフラが多く構築され、住区内外から安全快適に徒歩で回遊できる生活環境を実現している。 (鶴牧 - Wikipedia)

鶴牧の公園