クライミング遊具がある公園

クライミング遊具

公園の片隅にそびえるクライミング遊具は、まるで小さな山脈が地面からひょっこり顔を出したかのように、異様な存在感を放っている。人工の岩肌には多彩な突起が散りばめられ、手をかけるたび、足を置くたびに、自分だけの登頂ルートが静かに形づくられる。触れた瞬間にひんやりとした固さが伝わり、それだけで胸の奥に秘かな熱が灯る。

最初の一歩を踏み出した瞬間、地上のざわめきは遠のき、身体の重さと、次に掴むべき突起のかたちだけが世界のすべてになる。バランスを探りながら、慎重に、しかしどこか愉快なリズムで登っていくと、視界は少しずつ高くなり、まるで別の時間が流れはじめたかのような感覚に包まれる。

途中で振り返れば、公園の樹々は穏やかに揺れ、地面は思いのほか遠く、そこに自分の軌跡が小さく伸びている。さらにもう一段登ると、達成感がふっと体を軽くし、心がひとつ上の空へ浮かびあがる。

クライミング遊具は、ただの遊び場という枠を軽々と越え、小さな挑戦を受け入れ、小さな勝利を返してくれる。登るたびに自分の中の野生めいた夢想が頬を上気させ、生きていることの手応えすら思い出させてくれる。公園の中に潜む、静かな山登りの歓びである。

クライミング遊具がある公園