回転遊具がある公園

回転遊具

公園の片隅に据えられた回転遊具は、まるで陽気な渦の精霊が地上に降り立ってそのまま形になったような佇まいである。赤や青の色彩が陽光を受けてきらりと光り、近づくだけで胸の奥に小さな遠心力が芽生えてくる。手すりに触れた瞬間、金属の冷たさが合図のように指先を震わせ、ひとたび力を込めれば、遊具は控えめな唸り声をあげて回りはじめる。

回転が始まると、足元の地面がふっと距離を取り、視界は公園の風景を巻き込みながら円を描く。木々の影が帯のように流れ、空は一枚の絵のように滑らかにゆがみ、心の奥に隠れていた冒険心がくるりと身をもたげる。遠心力は軽やかで、子どもの頃に置いてきた無邪気な勇気をそっと呼び戻す。

ゆっくりと速度が落ちはじめると、不思議な名残惜しさが胸に宿り、もう一度だけ、と背中を押す衝動が生まれる。回転遊具はただの装置ではなく、日常の隙間に潜む小さな旅の入口だ。足をかけ、手を伸ばし、風とともに回転すれば、何気ない午後が特別な時間へと変わっていく。

回転遊具がある公園