一之江一丁目公園
アップデート:2026/09/05

一之江一丁目公園を前にすると、まずその潔さに目がいく。滑り台もブランコもない。目の前にあるのは、フェンスに囲まれたグラウンド。そしてトイレだ。
ここでは、グラウンドそのものが主役なのだ。
公園に遊具がないと聞くと、何もないように思えるかもしれない。しかし広く使える場所は、それ自体が立派な設備である。遊び方を決める形が置かれていないぶん、そこにあるのは用途をひとつに限定しない余白だ。
そして、その余白をぐるりと囲むフェンスがいい。
フェンスというのは普通、境界をつくるものだ。こちら側と向こう側を分ける。しかし一之江一丁目公園では、その囲いがグラウンドの輪郭をはっきりさせている。まるで地面そのものを巨大なひとつの遊具として囲っているようにも見えてくる。そう考えると、ずいぶん大胆な公園ではないか。
そこにトイレがあるのも、この公園の実用的な表情だ。飾り立てるのではなく、必要なものを置き、あとは広い場所を残している。
江戸川区一之江の街を歩く途中、フェンス越しにこの公園を眺めてみたい。何が置いてあるかではなく、何も置かれていない場所を眺める。
そんな公園探訪も、なかなかいい。

