小島二丁目児童遊園
アップデート:2026/10/01

ベンチがある。
その前には、何かの施設がある。
小島二丁目児童遊園は、東京電力の所有地にある公園だ。遊具が並ぶ風景ではなく、ここで目に留まるのはベンチ。そして、そのベンチから見える施設である。
何のための施設なのか。分からないものを、無理に決めつける必要はない。むしろ街歩きでは、正体の分からないものがひとつ残っているくらいが面白い。
ベンチに座れば、その施設が目の前の風景になる。
名所を眺めるための特等席でもなければ、絶景を楽しむ展望台でもない。ただ街の中にある設備を前にして、ゆっくりできる。それなのに、わざわざベンチが置かれていることで、普段なら通り過ぎるだけのものを少し眺めてみたくなるのだ。
台東区小島二丁目。しかも東京電力の所有地に公園があるという背景まで知ると、この小さな空間が街の隙間に用意された休憩所のように思えてくる。
何があるか分かっている場所だけを巡るのが、探訪ではない。
何だろうと思いながら座るベンチもいい。
近くを歩いたなら、少し腰を下ろして、目の前の風景をそのまま眺めてみたくなる。

