沢海橋第一児童遊園
アップデート:2026/08/18

江東区木場五丁目にある沢海橋第一児童遊園は、ずいぶんと思い切った公園だ。広い遊具広場があるわけでもなく、いくつもの遊具が並んでいるわけでもない。コンパクトな空間の中で、自然と視線が向かう先にあるのが、オブジェ「飛天」だ。
むしろ、この「飛天」を眺めるために公園という場所が用意されたのではないか。そんなふうに考えたくなるほど、ここではオブジェの存在感が大きい。
公園にオブジェが置かれていること自体は珍しくない。しかし普通なら、滑り台やブランコの横で少し控えめに立っていたりする。ところが沢海橋第一児童遊園では、限られた空間だからこそ「飛天」と向き合う時間が濃くなる。遊ぶ、休む、通り抜けるという公園の日常的な役割に、「ひとつの造形を眺める」という行為が堂々と加わっているのだ。
木場という街を歩いていて、ふと小さな公園へ入る。そして「飛天」の前で足が止まる。それだけで、いつもの街歩きに小さな寄り道が生まれる。
大きな公園なら一周して満足することもあるが、ここでは数歩進んで立ち止まる。その短さがいい。公園の価値は面積では測れないことを、こんな小さな場所が静かに教えてくれる。
木場を歩く日に少しだけ道をそれて、「飛天」を眺めに行く。そのくらいの目的をひとつ持って歩く午後も、なかなか悪くない。

