四阿というものは、公園の片隅にひっそりと佇みながら、気づいた者だけを静かに迎え入れる、不思議な建築物である。屋根と柱だけの簡素な姿でありながら、その場の空気を変えてしまうような存在感を放つ。まるで街の喧騒が四阿の輪郭に触れた途端、すっと薄まり、そこだけ別の時間が流れ始めるかのようだ。
近づくと、木の香りや涼やかな影がほのかに漂い、足が自然とゆるむ。四阿の中に入ると、天井の形が風の通り道をつくり、外とは違う静けさが生まれている。そこはただ休むための場所ではなく、世界の片隅にあいた「ひと息の聖域」だと言ってもいい。陽射しの角度や季節の移ろいによって、四阿の影は長く伸びたり、小さく縮んだりしながら、訪れる人の心持ちを映し出してくれる。
公園ごとに四阿の表情はまるで違う。和風の屋根をすっと広げた雅なものもあれば、どこか異国のあずまやを思わせる軽やかな佇まいのものもある。中には、誰が設計したのかと問いたくなる不思議な形の四阿が突如現れ、旅先で偶然見つけた秘密の建物のような気分にさせてくるものもある。どの四阿も、それが立っているだけで風景がぐっと深みを増すのが面白い。
四阿ほど、座る理由を与えてくれる場所はない。散歩の途中でふと吸い寄せられるように辿り着き、腰を下ろした途端に、風の音、葉擦れのささやき、遠くの子どもの声がやわらかく耳に届く。そこにいると、自分の輪郭が少し薄まり、世界のほうがゆっくりとこちらへ滲み寄ってくるような感覚になる。忙しく過ぎる日々の中で、そんな不意の静寂を与えてくれる存在は、とても貴重だ。
四阿は決して派手ではない。けれど、訪れた者の心にそっと影を落とし、ほんのわずかな旅を与えてくれる。公園へ向かう理由が見つからない日でも、ひとつの四阿を思い浮かべるだけで足が動き出す。あの場所に行けば、自分の時間を少し取り戻せる気がするからだ。四阿は街の中にひっそりと隠された、小さな休息の扉である。
四阿
四阿(あずまや、しあ)、東屋(あずまや)とは庭園などに眺望、休憩などの目的で設置される簡素な建屋。「四阿」の「阿」は軒の意味で、四方に軒を下ろした寄棟、宝形造などの屋根を持つ建造物を意味する。唐風に「亭」(ちん)とも呼ばれる。和語の「あずまや」は東国風の鄙俗な建屋を意味する。 (四阿 – Wikipedia)
四阿はいくら?
| 株式会社コトブキ |
3,933,000円〜 |
| 内田工業株式会社 |
2,370,500円〜 |
| 中村製作所 |
3,450,000円〜 |
| 株式会社ザイエンス |
2,600,000円 |
| タカオ株式会社 |
774,000円 |
| 株式会社サカヱ |
2,980,000円〜 |
※工事費などは別。
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