芝生が広がっている。それだけで、公園は少し贅沢になる。遊具を次々と並べるのではなく、何も置かれていない緑の余白そのものが遊び場になるからだ。土橋公園は、そんな芝生の気持ちよさをたっぷり味わえる公園だ。
その緑の中には滑り台があり、小山もある。滑って遊ぶのもいいし、小山を上ってみるのもいい。頂上と呼ぶには少々大げさでも、平らな場所から少し高いところへ向かうだけで、子どもの冒険には立派な高低差が生まれる。公園に小山がひとつある。それは遊具をひとつ増やすのとは違う種類の豊かさなのだ。
そして、この風景を妙に完成させている存在がロッキンドギーである。
芝生の一角で、犬がのんびりしている。
もちろん遊具なのだが、広々とした緑の中にいると、遊ばれるのを待っているというより、ここを自分の庭だと思ってくつろいでいるようにも見えてくる。滑り台より派手ではない。小山ほど大きくもない。それなのに一度気づくと、なぜか気になる。芝生、小山、滑り台、そして犬。この組み合わせには、説明しすぎないほうがいい幸福感がある。
たくさん遊ぶ日でなくてもいい。芝生を歩き、小山を越え、ロッキンドギーの横を通り過ぎる。それだけでも小さな散歩になる。
多摩市唐木田の街を歩く途中、少しだけ緑のほうへ寄り道したくなったら、この公園を思い出したい。芝生の向こうでは今日もきっと、あの犬がのんびり待っている。











