唐木田

唐木田は、広い空と静かな地平線がゆったりと伸びる、どこか風通しのよい町である。まるで大きな余白を抱えたノートのように、建物と緑のあいだに適度な間があり、歩くほどに心の中まで風が通り抜けていく。駅を出れば、ひらけた空が思いがけず近く、雲の影が地面をすべる姿さえゆっくり観察できる。

整然とした街並みの奥には、公園や緑地がぽつりぽつりと息づき、季節の変化を町全体で受け止めているようだ。春は桜が淡く町を包み、夏は濃い緑が影をつくり、秋には金色の風が団地の間を吹き抜ける。そんな景色の移ろいに身を置いていると、余計な雑念がふっと消え、ただ歩くという行為が小さな儀式のように思えてくる。

夕暮れには空がゆっくりと深まっていき、唐木田の街灯がぽつりぽつりと灯りはじめる。その柔らかな光が道の端を照らすと、町が静かに夜へ溶け込んでいく気配が漂い、どこか懐かしい詩情が胸に満ちる。

唐木田は、派手さを求めずともじんわりと心に沁みる、そんな落ち着いた魅力をたたえた場所である。

唐木田の場所

唐木田・町名の遍歴・由来

多摩市の南部に位置する、同市最西端の町である。当地域は1991年(平成3年)に入居が開始された多摩ニュータウン第11住区の西部で構成された、多摩市内でも新しい街である。「唐木田通り」北側の一丁目は住宅地となっている。また、居住者がいるのは住宅地として整備された一丁目のみとなっており、二・三丁目は公共施設や企業の施設が置かれている。(唐木田 - Wikipedia)

唐木田の公園