李久保公園を歩いていて気になったのは、遊具でもトイレでもなく、「あらたの辻」があった場所という土地の記憶だった。かつてここには、人や道が交わる辻があったという。その一言を知るだけで、公園の見え方が少し変わる。今は子どもたちが遊ぶ場所でも、この土地は昔から誰かが立ち寄り、通り過ぎ、また別の場所へ向かっていく結び目だったのだろう。
遊具エリアには複合遊具が据えられ、その周りではロッキンパッピーが静かに出番を待っている。主役を囲むように並ぶその姿は、まるで遊び場を見守る仲間たちのようでもある。複合遊具へ向かう子もいれば、ロッキンパッピーでゆっくり揺れる子もいる。同じ公園の中に、それぞれの時間が流れている。
そして、公園に立つ和風のトイレが印象に残る。実用的な施設でありながら、どこかこの土地の歴史へ目を向けさせる存在だ。派手ではないが、「あらたの辻」の記憶を現代へつないでいるようにも見える。公園の風景の中で違和感なく佇んでいるところが、なんとも味わい深い。
李久保公園がある多摩市唐木田一丁目は、多摩ニュータウンの落ち着いた街並みが広がる一方で、古くから続く土地の記憶も静かに残されている地域だ。この公園にも、新しい暮らしと昔の面影が無理なく同居している。
遊具で遊び、少し歩いて土地の歴史に思いを巡らせる。そんな時間が、ごく自然に流れている公園だった。:::











